テレビ時代に対応した大相撲のカラー廻し

屈強な力士が体と体をぶつけ合う大相撲。古くから人気を集め、日本の国技として発展しています。力士が身に付けるのは廻し一つだけで、力と技だけで競い合う姿は世界的にも有名です。その廻しも今では色とりどりになり、力士の個性化にもつながっています。古い歴史を持つ相撲の中でもカラー廻しを締めるようになったのは最近のこと。その背景にはテレビの普及がありました。

本来廻しには色の決まりがあった

力士の廻しは、稽古の時に着ける稽古廻しと、取り組み時に着用する取り廻しの2種類があります。稽古廻しについては十両以上の力士は白色で、幕下以下の力士は黒色を着けることが日本相撲協会によって厳密に決められています。相撲界は上下関係が厳しく、日常が番付によって決められます。幕下力士は黒色から白色の廻しを着けることを最初の目標とし、白色が着けられたことで番付が上がったことを認識します。また取り廻しの色についても同協会では紺色か紫色を着用すると規定していますが、実際にはほとんどの力士が自分の好みの色を使っており、現在規定の拘束力はそれほどありません。

カラーテレビによって廻しもカラフルに

最初に力士がカラーの廻しを着用したのは1957年と言われ、その後カラーテレビの普及とともにカラー廻しをつける力士が増えていきました。人気の横綱や大関もこぞってカラー廻しを着用、この頃には緑やピンクなどカラフルな廻しで登場する力士もいました。力士の名前をあまり知らない人でも、取組では廻しの色で識別できることもあり、カラー廻しは一般化しました。アマチュア相撲では廻しの色は圧倒的に白色が多い中、わずかに黒色や水色を使う人もいます。

化粧廻しは派手なものが多い

力士は稽古や取組以外にも化粧廻しを締めることがあります。大きな前垂れと馬簾がついたこの廻しは、土俵入りなど儀式用のもので、通常は後援会やタニマチ筋から贈られます。化粧廻しの前垂れ部分にはカラフルな刺繍糸を使って豪華な絵柄や座右の銘などが描かれたりします。横綱になると太刀持ちと露払いのものを含めた3点セットになっており、馬簾に紫色が使えるのは横綱と大関の土俵入りを務める太刀持ちと露払いに限られています。

まとめ

相撲の興行やシステムなどは時代によって変化していますが、力士の廻しもテレビ時代に合わせて視覚的に変化しました。古来からの伝統を重んじる相撲界にあって、観客の視点に立った変化は、相撲人気を支える上で欠かせないものとなっています。